電球の種類と選ぶポイント

2024年7月15日

私たちの生活の中で身近に使われている電球ですが、「電球が切れてしまった!」という時に、意外とどれを選んでよいかわからなかったり、買ってきたものが取り付けられなかった、という声を耳にします。
電球選びで失敗しないために、少しでも気軽に買い替えができるように、電球の種類と選ぶポイントをご紹介します。

STEP1:電球の種類と形状をチェック

電球には、いくつかの種類と形状があります。ご自身が選びたい電球がどの種類、形状かを確認していきましょう。

STEP2:口金サイズをチェック

「口金(くちがね)」とは、照明器具に取り付ける金属部分の名前です。
口金のサイズが合わないと照明器具に取り付ける事ができないので、買い替えをする場合には、今までと同じ口金サイズのものを、新しく買う照明器具に取り付ける場合には、その商品の仕様を確認し指定の口金サイズを選びます。
家庭用として広く使われている口金サイズは、主にE26、E17です。常夜灯に使われるナツメ球など更に小さいE12もあります。

口金サイズの数字は、口金部分の直径サイズを表しています。 お手持ちの電球の口金サイズが分からない場合には、直径を測る事で口金サイズを知る事が出来ます。

STEP3:取り付ける器具をチェック

取り付ける器具の形状、仕様によって適した電球が異なります。次にあげるポイントを参考に適した電球を確認していきましょう。

・光の広がり

電球には「光の広がり」があります。家庭用に主に使われているものは、空間全体を照らす「全方向タイプ」、広範囲を照らす「広配光タイプ」、下方向を照らす「下方向タイプ」の3つに分けられます。
メーカーによって異なりますが、おおよそ全方向タイプは220~260度、広配光タイプは180度、下方向タイプは140度程です。
白熱電球は、全て全方向タイプになりますが、LED電球はさまざまな光の広がりをもち、取り付けたい器具や場所に適した光の広がり方を選ぶことができます。
電球単体で見たときに光の広がりが広ければ広いほど、空間全体を均等に照らすことができ、逆に光の広がりが狭いものは、下方向を集中的に照らすことができるのが特徴です。
LED電球を選ぶ際には、パッケージに書かれている「光の広がり」をチェックしてみてください。

・調光機能付き

調光機能のついた照明器具の場合には、調光器対応のLED電球をお選びください。ご購入時に、パッケージをご覧いただくと、「調光器対応」等の文字やマークをご確認いただけます。

・断熱材施工器具

主に戸建住宅に取り付けられているダウンライトなどの埋め込み器具には、断熱施工対応の器具が使われていますので、断熱材施工器具対応のLED電球をお選びください。
ご購入時に、パッケージをご覧いただくと、「断熱材施工器具対応」等の文字やマークをご確認いただけます。

・密閉型器具

浴室や洗面所などに使われているカバーで覆われたタイプの照明器具に使用するLED電球は、密閉型器具対応のものをお選びください。ご購入時に、パッケージをご覧いただくと、「密閉型器具対応」等の文字やマークをご確認いただけます。

電球の取り付いている屋外器具も密閉型器具ですが、メーカーによっては「密閉型器具対応」の他に、「屋外器具対応」という表示が別にあるメーカーもあります。

表記された仕様の他に、今までつけていた電球よりも新たにつける電球のサイズが大きい場合には、器具に収まらない場合がありますので、電球のサイズも確認する事をおすすめします。

STEP4:明るさをチェック

電球を買い替える場合には、使用していた電球の明るさを確認します。新たにご購入する照明器具に取り付ける電球を選ぶ場合には、照明器具の仕様に記載されている適合電球の欄をご確認いただき、照明器具に合った明るさのものをお選びください。

白熱電球の明るさは、W(ワット)で表現され、LED電球の明るさは、照明の明るさの単位であるlm(ルーメン)で表現されています。表現が違うので、お店に並んでいる電球と今まで使っていた電球で「同じ明るさのものがわからない!」そうならないようにLED電球には、明るさの表現の違う白熱電球からの買い替えの際にも間違える事のないようlm(ルーメン)とは別に「〇形相当」という表現で明るさを示しています。 ご家庭で使われている白熱電球は100W、60W、40Wがほとんどです。LED電球では、順番に100形相当、60形相当、40形相当というように〇W(ワット)の〇、数字の部分をそのまま使用して「〇形相当」という表現をすることで、消費者の方にわかりやすくご購入いただけるようになっています。

「今よりも明るくしたいので、明るい電球を取り付けても大丈夫ですか?」 そんなご要望を聞くことがあります。そのような場合に確認していただきたいのが、電球を取り付ける照明器具の「定格消費電力」です。電球を取り付けられる照明器具には、「定格消費電力」というものが設定されています。定格消費電力が60Wの器具には、電球の種類は問わず消費電力60W以下の電球をお取り付けください。もし、60Wの明るさよりも明るくしたい場合には、LED電球の100形相当をお選びいただければ、定格消費電力内で明るくすることができます。

STEP5:光色をチェック

白熱電球は光の色を選ぶことはできず、電球色と呼ばれる光色です。LED電球は、主に4種類から光色を選ぶことができるので、空間の用途や雰囲気に合わせてお選びください。

・電球色相当

白熱電球に似た暖かみのあるオレンジ色の光。落ち着いた雰囲気がでるので、ダイニングや寝室など、リラックスしたい部屋におすすめです。

・温白色相当

暖かみ、落ち着いた雰囲気もありながら明るさ感もある光色。電球色と昼白色の中間のような印象を与える光色であることから、近年人気が高まってきています。柔らかい雰囲気が出るので、リビングなどにおすすめです。

・昼白色相当

太陽光に近い自然な光色です。いきいきとした自然な光色で、キッチンや洗面台などにおすすめです。

・昼光色相当

青みのある白い光色です。クールで清々しい印象を与え、文字などもはっきり見えやすくなるので、子供部屋や書斎におすすめです。

 

今回は、電球の種類と選ぶポイントについてご紹介しました。
あの小さな電球には、色々な機能がつまっています。白熱電球とは違い、LED電球は小さな電化製品でもあり、同じ照明器具でも取り付ける電球を変えることで、違う機能を持った照明器具に変化させることもできます。
だからこそ、選ぶポイントが分かっていると、今の生活に合った環境を実現する手助けになるはずです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回は、LEDって何?です。
私たちと照明を楽しみながら、照明を味方につけて、ライフスタイルやその空間で過ごす人たちに寄り添った居心地の良い空間づくりの参考にしてみてください。

About me

髙山 明香
La it -Lighting Design Office- 代表
建築設計事務所、メーカー、照明代理店と勤務した後、2020年La it -Lighting Design Office-を設立。
照明デザイナーとして、照明計画を中心に空間デザインを手掛ける。