照明器具の天井取付方法 わかりやすく解説

2024年7月13日

今まで、器具や電球の種類、選ぶポイントなどをご紹介してきましたが、今回はご購入いただいた照明器具を取り付ける方法をご紹介いたします。
照明器具の取り付けには、お客様自身で設置いただけるものと、電気工事士の有資格者の施工が必要なものがあります。誤った取り付けは、落下、感電、火災等の原因となります。
照明器具の設置方法を確認し、必ず「取扱説明書」に従って取り付けを行うようにしてください。

引掛シーリング取付式

まずは、照明器具を購入する際に一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか、「引掛シーリング」についてご紹介いたします。
引掛シーリングとは、室内型照明器具を天井に取り付けるための電源ソケット、プラグの事を言います。電化製品に電気を通すときに使うコンセントの天井照明バージョンといったイメージで、「引掛シーリング取付式」と書かれたシーリングライトやペンダントライトは、天井にシーリングライト用の配線器具がついていれば、ご自身で取り付けができます。

「引掛シーリング」と言ってもいくつかの種類・形状がありますが、機能としてはほとんど変わりはなく、電気を通すこと、照明器具をしっかりと天井に固定することを役割としています。
一般的な耐荷重としては、「シーリング」が5kgまで、「ローゼット」が10kgまでとなり、「ローゼット」には「シーリング」にはない金属の耳のようなもの(ハンガー)がついており、ハンガー部分に照明器具の本体をネジ止めすることで、安定性を増すことができます。
では、次に一般的な取り付け方をご紹介します。

引掛シーリングへの照明器具の取り付け方

  1. シーリングの溝の広くなっているところに照明器具のアダプタにある2つのツメをそれぞれ引っ掛ける
  2. 右方向にカチッと音が鳴るまで回す
  3. しっかりと固定されたこと確認し、取り付け完了

引掛ローゼットへの照明器具の取り付け方

  1. ハンガーのネジ穴にネジがあれば外す
  2. 照明器具の本体をハンガーにネジで固定する
  3. 溝の広くなっているところに照明器具のアダプタにある2つのツメをそれぞれ引っ掛ける
  4. 右方向にカチッと音が鳴るまで回す
  5. しっかりと固定されたこと確認し、取り付け完了
(取り付け方はあくまでも参考になりますので、実際に取り付ける際には、取り付けたい照明器具の取扱説明書を確認してください。)

ダクトレール(ライティングレール)

「ダクトレール」とは、照明器具を取り付けるレール状の部品の事です。レールの内部に電気が流れているので、ご自身でレール上に自由に照明器具を配置できます。
ダクトレール以外にも「ライティングレール」、「配線ダクト」などと呼ばれることもありますが、全て同じものです。

ダクトレールには、レールが電気工事で天井に直接取り付けられているタイプと引掛シーリングに取り付けてご自身で取り付けられる「簡易式ダクトレール」という2種類に分かれます。
簡易式ダクトレールを取り付けることにより、引掛シーリングが1つしかない場所でも複数の照明器具がつけられます。そのため部屋のレイアウト変更や部屋が暗いと感じた際に照明器具を追加してみるなど、明るさや見た目を調整しながら、自由に部屋の演出を楽しむことができます。

ダクトレールへは、「プラグ式」と呼ばれる専用の取り付け口をもったペンダントライトやスポットライトなどの照明器具の取り付けが可能です。
「引掛シーリングボディ」・「引掛シーリング変換プラグ」と呼ばれるアダプタをダクトレールに取り付けることで、引掛シーリングで取り付けられる照明器具をダクトレールに取り付ける事もできるようになり、取り付けられる器具の幅は一気に広がりますが、ダクトレール、引掛シーリングボディそれぞれに耐荷重や最大電力量(ワット)の設定、取り付ける照明器具にも設置環境の指定などがありますので、それぞれの「取扱説明書」に従って安全にお取付けください。

また、ダクトレールに取り付けることができるのは照明だけではありません。
ダクトレール用のファンやプロジェクターなどの電化製品、ライティングレールから電気をとれるコンセントプラグ(ライティングレール用抜け止めコンセント)、ダクトレール用のフックとプラントハンガーを使えば観葉植物を吊り下げることができます。

電気工事取り付け(直結)

取付方式に「引掛シーリング取付」、「ライティングレール取付」などの記載がない照明器具の取り付けについては、電気工事が必要になります。
この工事では天井から電源線を出し、器具に直接結線する電気工事士の有資格者の作業が必要となりますのでお近くの電気店、工務店、ハウスメーカーなどに取り付けをご依頼ください。

引掛シーリングを新たに取り付ける場合にも電気工事が必要になります。
傾斜のある天井や竿縁天井、格子天井などの平らではない天井に引掛シーリングは取り付けができませんが、それぞれの天井にあったアダプタ等を利用した上で取り付けられるケースがありますので、作業を依頼される専門家の方にご相談ください。

 

今回は、照明器具の取り付け方法をご紹介しました。
取り付け方がわかると、照明器具の選び方も変わってくるかもしれません。照明器具を変えることのハードルも今までより下がるのではないでしょうか。
部屋の雰囲気を変えたいとき、今までつけていた照明が暗く感じるようになったとき、ご自身やご家族の‘今’に合わせて光環境も変化させていってください。

 

最後に「引掛シーリング」、「ダクトレール」にご自身で照明器具を取り付ける際、大きな照明器具をもったまま脚立に乗る作業になります。
脚立に上られる方と下から照明器具を渡し、支える方とお二人で取り付けをされることをお勧め致します。簡単な作業ではありますが、くれぐれもお気をつけください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回は、間接照明 効果とテクニックです。
私たちと照明を楽しみながら、照明を味方につけて、ライフスタイルやその空間で過ごす人たちに寄り添った居心地の良い空間づくりの参考にしてみてください。

About me

髙山 明香
La it -Lighting Design Office- 代表
建築設計事務所、メーカー、照明代理店と勤務した後、2020年La it -Lighting Design Office-を設立。
照明デザイナーとして、照明計画を中心に空間デザインを手掛ける。